アキのKEIルポ 有利な状況は必然的 錦織の重要な地位、再確認

 グランドスラムは他の大会と、いろんな意味で異なると多くの選手が口にする。“ネクストジェン(次世代)”と呼ばれる若手たちも、グランドスラムではなかなか上位進出がままならない。世界1位のジョコビッチはその理由を「グランドスラムは5セットマッチだし、2週間の長丁場。試合のない日の過ごし方など、経験がモノを言う」と明言した。

 大会3日目の全米オープンは朝から断続的な小雨に見舞われ、ほぼ全ての試合がキャンセルされた。唯一の例外が、屋根のあるセンターコートと、ルイ・アームストロング・スタジアム(LAS)に組まれた試合。錦織の2回戦はLASの第1試合だったため、開始時間も含め予定通りに消化された。

 次戦の相手が半日をもんもんと待機でつぶし、連戦を強いられるのが確実になる中で、錦織は治療を受けて食事を取り、たっぷり睡眠時間も確保できる。そのような何げない日常は「けっこう重要なこと」だと錦織は言った。

 3回戦を戦うより先に、錦織にはアドバンテージがある。もちろんそれは偶然ではなく、長年トップ10を維持することで獲得した必然の権利だ。ともすると周囲もこの状況に慣れてしまいそうになるが、錦織はそれだけテニス界において、重要な地位にいる。

(フリーライター・内田暁)

2019年8月30日 無断転載禁止