きらめく星 干潟星雲

天の川に広がるガス

干潟星雲。その上に三裂(さんれつ)星雲と呼ばれる小さな星雲も見られる=8月3日、三瓶自然館サヒメルの天文台で撮影(さつえい)
 今ごろの午後8時過(す)ぎ、南の空を見ると、たいへん明るい星が二つ出ています。右側のより明るい方が木星(もくせい)、左側が土(ど)星(せい)です。周りに明かりのない場所なら、これら二つの惑星(わくせい)の間に、天(あま)の川(がわ)が流れていることにも気付くでしょう。

 その天の川の中、木星と土星のちょうど中間あたりに、楕(だ)円(えん)のような形をした小さなかたまりが見えます。星雲(せいうん)と呼(よ)ばれるもので、その正体は宇(う)宙(ちゅう)空間に広がったガスです。星空には、点として光る星だけでなく、このように広がりのある星雲も見られるのです。

 そこに双眼鏡(そうがんきょう)を向けてみましょう。街明かりなどがあって肉眼(にくがん)では星雲が見えない場合でも、双眼鏡を使うとその姿(すがた)をとらえることができます。ガスが光っている様子が、まさに雲のようです。

 この星雲の名前は「干(ひ)潟(がた)星雲」といいます。干潟とは、干(かん)潮(ちょう)の時に海岸に現(あらわ)れる広い砂(すな)地(ち)のことです。大きな望遠鏡で見たり写真に撮(と)ったりすると、星雲のガスにいくつか暗い部分があるのが分かります。その様子が、川筋(かわすじ)やくぼみに水を取り残した干潟のように見えるので、そう呼ばれています。

 星雲のガスは星を作る材料になります。星雲の中のどこかでガスが縮(ちぢ)まって星となり輝(かがや)きだします。星雲は太陽のような自分で光る星が生まれる場所であり、干潟星雲でも新しい星が次々と生まれています。

 干潟星雲のほかにも星雲は星空じゅうにあり、特に天の川の中にたくさん見られます。しかし、肉眼で分かるほど見やすい干潟星雲は、この季節の代表的な星雲といえ、いつも夏の天の川に見えています。ただし、その両側に木星と土星があるのは今年だけですので、いい目印がある今のうちにぜひ一目見てください。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)

2019年8月21日 無断転載禁止

こども新聞