消えたウイニングボール

 「事件」は野球場で起きた。「被害者」は米子市出身のプロ野球・広島の九里亜蓮投手。6月25日、敵地での楽天戦でプロ初完封を飾ったものの、記念のウイニングボールが行方不明になってしまった▼「犯人」は出雲市生まれの西川龍馬左翼手。最後の打者のフライをつかむと、ファンサービスでスタンドへボールを投げ込んでしまったのだ▼ボールが消えたことを知った九里投手は「もう一度、同じような投球をしてボールをもらいたい」と苦笑い。後日、球団広報がブログで返還を呼び掛ける「公開捜査」が実って九里投手の元に届き、一件落着したという▼記念ボールは大切に保管しておきたいと思うが、この人はそうではないらしい。ゴルフの全英女子オープンで優勝し、日本勢42年ぶりの海外メジャー制覇を飾った20歳の渋野日向子選手。テレビの取材でウイニングボールの所在を聞かれると「誰かにあげてしまった。全部(ファンに)あげている」とあっけらかん。先輩ゴルファーが名付けたという「しぶこ ひなこ」のニックネーム入りのボールは、ファンなら誰もがのどから手が出るほど欲しい「お宝」だろう▼勝利を決めたボールに注目が集まるのはゴルフと野球くらい。その野球では夏の甲子園があす決勝を迎える。高校3年生にとって「もう一度」とはならない最後の大会。栄光のウイニングボールを手にするのは履正社か星稜か。(健)

2019年8月21日 無断転載禁止