授業で磨いた落語、初の東京公演 奥出雲・高尾小児童7人

東京公演に向け、稽古の成果を披露する児童=島根県奥出雲町高尾、高尾小学校
 授業に落語を取り入れている全校児童わずか9人の島根県奥出雲町立高尾小学校(奥出雲町高尾)の児童が9月、東京都内で初公演に臨む。校内や地元の集会所などで腕を磨いてきたところ、教育関連の学会から出演依頼が舞い込み、3~6年生7人が高座に上がることになった。卒業生が掲げた「ニューヨーク公演」の夢に向け、一歩を踏み出す。

 児童による落語は、2013年に赴任した宮森健次教頭(58)=現・松江市立古志原小学校教頭=が当時の3、4年生を対象に導入した。表現力の向上と物おじしないたくましい心の育成が目的で、全校児童が取り組むようになった現在は、町内外で毎年20公演前後を行っている。

 東京公演のきっかけは15年、奥出雲町八代出身で相模女子大非常勤講師の宮崎敦子さん(62)の目に留まったことだった。町内の温泉施設で偶然、児童の寄席を見掛けた宮崎さんは「こんな学校があるんだ」と驚き、所属する日本学習社会学会の事務局に情報を提供。それから4年を経て、日本大文理学部(東京都世田谷区)で9月15日に開かれ、全国の教育関係者らが集まる学会の場で児童7人が高座に上がることが決まった。

 7月下旬に高尾小で開いた「壮行寄席」は、町民100人が駆け付ける盛況ぶりで、「青葉亭ゆうかり」こと、和泉侑果さん(11)=6年=は幽霊が夜な夜な皿を数える「皿屋敷」を熱演。「青葉亭ひまわり」こと、乙社ひまりさん(12)=同=は「自分が磨いていてきたネタを見てほしい」と笑顔を見せた。

 桑山悟校長(56)によると、過去に「夢はニューヨーク公演」と目標を掲げた卒業生がおり、実現への一歩になると東京公演を快諾。「青葉亭八朔」こと、藤原朔也君(12)=同=は「初めての県外公演が東京と聞いて驚いたが、お客さんの数が多くなる分、笑いも大きくなる。うまく話して東京で注目してもらいたい」と、中山間地域の小さな学校で、大きな夢を描く。

 31日午後4時から再度、高尾小で壮行寄席がある。

2019年8月20日 無断転載禁止

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