女子ログ 裁判傍聴

 ドキュメンタリーものが好きな私は映像や本で興味のあるテーマのものをよく見るが、何度か裁判の傍聴にも足を運んだ。

 初めて傍聴したのは、広島高裁での無差別殺人事件。被告に反省の色は見られず、裁判中も大声を出したり、横柄な態度に憤りを感じた。さらに証人として出廷していた母親の人ごとのような発言にも驚いた。

 先日も福岡高裁で乳児を揺さぶって殺してしまった傷害致死事件の裁判員裁判を傍聴した。産後の母親の体調不良と慣れない育児から泣きやまないわが子を父親である被告人が揺さぶってしまうという一瞬の出来事だったという。深く反省する被告人の姿に思わず涙が出た。

 父親の成育歴も不遇であったが、被告人の実の母親が証言で、出所後は自分が必ず立ち直らせると言っていた。普段、新聞やニュースで目にする事件はつい、結果だけでその事件を見てしまうが、裁判を聞くとその背景が見え、犯罪心理というものが計画的なだけでなく一瞬のいら立ちで起こってしまう恐怖も見えてくる。

 裁判員制度が始まって10年。一般市民が審理するという重責を目の辺りにし、私ならどう判断するだろうと深く考えさせられた。また機会があれば出掛けてみようと思っている。(浜田市・風田凪子)

2019年8月10日 無断転載禁止