原爆の惨禍や歴史伝える 江津・有福温泉で企画展開催

原爆の惨禍が描かれた絵に見入る来場者
 かつて原爆被爆者療養所「有福温泉荘」があった島根県江津市有福温泉町で戦争の悲惨さを伝える企画展「祈りの夏」が開かれている。町内の交流施設「湯町サロン」を会場に原爆の惨禍が描かれた絵や多くの被爆者を迎えた療養所のゆかりの品が展示され、来場者が平和の尊さをかみしめながら見入っている。15日まで。

 有福温泉の湯で被爆者らの心身を癒やした療養所は1967年から2013年まで開設され、被爆者ら延べ約90万人が訪れた。企画展は、戦争や原爆の記憶を風化させず次世代に引き継ごうと、地元の湯町自治会が14年から開催。今回は、広島平和記念資料館(広島市)から借りた絵の複製36点を展示した。

 いずれも被爆者の証言を基に広島市内の高校生が制作した絵で、赤ちゃんを抱えたまま息絶えた母親や道端の無数の死体などが描かれ、悲惨さが伝わる。

 旧有福温泉小学校(2011年廃校)の児童たちが作り、療養所で掲示されていた少女とハトをモチーフにしたちぎり絵、反戦平和を唱えた童話作家いわさきちひろの絵本、紙芝居も展示。湯町自治会の盆子原温(たずね)会長(69)は「平和の大切さや多くの被爆者を癒やした有福温泉の歴史を継承したい」と話した。

 広島に原爆が投下された6日は、会場で折り鶴の献納や献花を行う。

2019年8月3日 無断転載禁止

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