レッツ連歌(要木木純)・7月25日付

(挿絵・Azu)
◎出席と返事を出した同窓会

戻ろう十五の夏のあの日に  (大田)塩毛 千介

服だパーマだ靴だバッグだ  (出雲)岡  佳子

◎ダメよダメそれは振込詐欺だから

不思議でならぬひとのお宝  (松江)三島 啓克

足を洗って語る経験     (浜田)勝田  艶

◎またの名は百の資格を持つ女

一つの愛を育てられずに   (出雲)櫛井 伸幸

◎表より面白いのはいつも裏

小路入れば芸術家あり    (松江)勝部 政子

無礼講では油断大敵  (埼玉・所沢)栗田  枝

闇営業で稼ぐ小遣い     (益田)石川アキオ

知らぬふりして知ってる先生 (出雲)岩本ひろこ

◎終活の半ばでポックリあの世ゆき

自慢の裸婦画が税込み千円  (松江)本田 祥子

◎鯉のぼり風になびいて泳いでる

こんな所に日本人が     (松江)高木 酔子

◎新しいビキニ着ているおばあちゃん

ポーズ決めてる仏壇の前   (松江)川津  蛙

おつれの人は赤いふんどし (奥出雲)松田多美子

合成写真ではありません   (浜田)山崎 重子

◎まかしとけ胸をたたいてうけあって

落選したらただの人です    (米子)佐々木浩子

◎ウンウンと聞いてくれればそれでいい

振り込め詐欺も楽じゃないのよ (松江)山崎まるむ

一筋縄でいかぬ米中      (江津)井原 芳政

◎知らぬ間にずいぶん大人になったのね

孫が上から見下ろしていう   (浜田)勇 之 祐

おばちゃん若いとお世辞おぼえて(雲南)錦織 博子

◎印鑑を押す必要のない暮らし

晴釣雨飲春夏秋冬       (松江)田中 堂太

◎お互いに知っているのに知らんぷり

バーゲンセールで品を取り合い (松江)持田 高行

そろそろけりをつけるときかも (大田)福田 葉摘

元カノのカレ俺の親友     (安来)根来 正幸

◎科学者はブラックホールに挑戦し

なかなか取れぬ鼻毛一本    (江津)花田 美昭

行ったきりにて誰も帰らず   (飯南)塩田美代子

◎客が来て中断したらもう忘れ

絶対いけたはずの下の句    (益田)吉川 洋子

駒が二三個入れ替わってる   (出雲)放ヒサユキ

◎かずら橋あと半分で立ち止まり

こんなところで尿意催す    (江津)岡本美津子

◎本当に油断も隙もありゃしない

電話で聞かれる暗証番号    (出雲)野村たまえ

それでも孫はかわいいのです  (出雲)遠藤  伸

◎大根を買うか買わぬか迷うレジ

何があったか家庭菜園     (安来)原田久美子

◎ケータイを持たずあの世へ行った母

伝言をする閻魔大王      (浜田)滝本 洋子

時々届く着信の音       (雲南)横山 一稔

三途の川はインスタ映えする  (松江)小谷由紀子

◎うっかりと逆さに背負ったランドセル 

ボクは将来お笑いに行く    (益田)石田 三章

          ◇

 ここで注意があります。打越(うちこし)にならないように気を付けてください。打越とは、前句のそのまた前の句と同趣旨の句を付けてしまうことで、発想の停滞、循環を招きやすいので、禁忌となっております。例えば、前回、「見るな見るなは見ろということ」に、「新しいビキニ着ているおばあちゃん」という付句がありましたが、これを前句にして「会う人ごとに見せびらかして」などの句を付けると打越になってしまいます。

 実は、私はそれほど厳しくチェックはしておらず、同趣旨の句でも、少し観点が違っておれば、採用することもあるのですが、発想の展開を楽しむために、投稿前にもう一度、選んだ前句の前句を確認してみてください(それより前にさかのぼって気にする必要はありません)。

 次回は、今回の入選句を前句に選んで、それに長句(五七五)を付けてください。

          ◇

 8月第5週は黒田光さん担当のレッツ連歌スペシャルがあります。

 満天の星を見ながら飲むビール

に短句(七七)を付けてください、とのことでした。夏にふさわしい前句ですね。ビールでも飲んで、発想の飛躍を心掛けてください。

(島根大教授)

2019年7月25日 無断転載禁止

こども新聞