絵本の世界観浸って 益田 猪熊弦一郎展13日開幕

作品の前で古野華奈子学芸員(右)の説明を聞く来場者
 JR上野駅の壁画や三越の包装紙デザインなどで知られる洋画家・猪熊弦一郎(1902~93年)の作品の魅力を紹介する企画展「猪熊弦一郎展 いのくまさん」(県立石見美術館など主催)が13日、島根県益田市有明町の県立石見美術館で開幕する。内覧会が12日にあり、猫や人間の顔、鳥などを独特のタッチで表現した作品約140点が来場者に披露された。会期は9月1日まで。

 猪熊は高松市出身。東京美術学校(現・東京芸術大)で西洋画を学び、東京やパリ、ニューヨークなどに拠点を移し、マティスやピカソ、藤田嗣治らさまざまな芸術家と交友を深め、自身の画風を追究した。

 同展は、猪熊の作品約2万点を所蔵する丸亀市猪熊弦一郎現代美術館と、同館を管理運営するミモカ美術振興財団の特別協力を得て開催。猪熊が手掛けた絵本「いのくまさん」(文・谷川俊太郎、小学館発行)の世界観に沿って構成する。

 内覧会では、来場者78人が同現代美術館の古野華奈子学芸員(49)の説明に耳を傾け、幼少期から晩年にかけての自画像や猫、さまざまな人物の顔、造形を描いた作品を鑑賞した。

 第2次世界大戦下のパリにいた猪熊が帰国直前に描いた作品「マドモアゼルM」が印象に残ったという益田市中吉田町の大畑幸三さん(76)は「膝を抱えて腰掛ける女性の表情をしっかり描いているが、背景は殴り書きのようで、画家の心情を物語っている」と感想を話した。

 開館時間は午前10時~午後6時半。8月13日を除く毎週火曜日休館。有料。

2019年7月13日 無断転載禁止

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