アキのKEIルポ 感じさせぬ年齢の不安 未来に向けた発言多く

 今大会最後の会見での錦織の言葉が、興味深かった。

 「芝でのプレーも昨年に続き良くできていた。ここに来るのは、毎年楽しみになっていると思います」

 早くも来年の芝シーズンを心待ちにするかのような発言。大会前にも錦織は、芝に対し「嫌いというイメージは全くなくなりました」とも言った。芝でテニスが行われるのは1年でわずかに3週間。それもあり芝に来ると錦織は、自分の成長や変化を1年単位で測っているようだった。

 今年末、錦織は30歳を迎える。まだ20代半ばの頃、錦織は「30歳」という年齢への不安を度々口にした。「30歳くらいでやめるのかなと」思ったこともあるという。それが今は「年齢は全く気にしていない」と言った。体力的な衰えも感じない。未来についての発言が多いのもそのためだろう。

 錦織が敗れたことにより、今大会出そろったベスト4は37歳11カ月のフェデラーを筆頭に全員が30代となった。一度は引退を示唆したアンディー・マリー(英国)も、人工股関節を入れる手術の末に32歳で復帰している。そんな周囲の動きも、錦織の視線を自然と前に向けさせる要因だ。

 フェデラーとの対戦を錦織は「すごく良い経験になる」と言った。その経験を生かす機会が、近い未来にあると信じて。

(フリーライター・内田暁)

     =おわり=

2019年7月12日 無断転載禁止