レッツ連歌(下房桃菴)・7月11日付

(挿絵・麦倉うさぎ)
 6月15日の「連載600回を祝う会」―。総勢30人だったのですが、応援団を結成していただいたこともあって、受け付けに手間取り、開会が遅れるほどの混雑となりました。

 ご参会、ご入団いただいた皆さん、ほんとうにありがとうございました。

 連載の節目に開いていただく「祝う会」ですが、今回は初めて、桃菴、木純、光の選者3人がそろって出席させていただきました。それに、山陰中央新報で最初に「レッツ」を担当していただいた岡部康幸氏(現島根県立大非常勤講師)―。氏からは、「レッツ連歌」というタイトルの名づけ親は自分であるという、私も忘れかけていた裏話が飛び出し、会場はウォーという感嘆の声に包まれました。

 「レッツ」の現担当者斎藤敦氏の精力的な密着取材もあって、パーティ―は盛り上がります。

 皆さんが口をそろえておっしゃるのは、いつものことながら、投句仲間と初めて顔を合わせ、あるいは旧交を温めて、いっぱい元気をもらった、ということ。最高齢の勝田艶さんは、「今日で卒業しようと思って来たけれど、卒業するの、やめました」とあいさつされて、万雷の拍手を浴びておられました。

 植田延裕さん、山崎まるむさん、ごくろうさまでした。会場の設営から、パーティーの司会進行、後片付けにいたるまで、ほとんど飲まず食わずでお世話いただきました。どうか、お疲れの出ませぬように。

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  迷ったときはやるほうを取れ

退職後開いた店が大当たり    (浜田)山崎 重子

今までもそうしてきたが全部ボツ (江津)岡本美津子

監督はエース外したばくち打ち  (雲南)錦織 博子

楽すればどんどん体なまってく  (浜田)松井 鏡子

杉様も返納をする免許証     (江津)花田 美昭

ドクターに白内障と告げられて  (浜田)勝田  艶

八十になっていまさら言われても (出雲)岩本ひろこ

義経は先頭切って逆落とし    (益田)石田 三章

フラダンスヨガ教室にスイミング (安来)原田久美子

幸せはいっぱいできたお友達   (米子)板垣スエ子

父ちゃんの大事な壷にセメダイン

             (熊本・天草)龍石美和子

両側が外車の場所しか空いてない (松江)水野貴美子

上げるべきか上げざるべきか消費税(出雲)放ヒサユキ

一回転するほど振った変化球   (飯南)塩田美代子

カーナビが教えた道はけもの道  (松江)小谷由紀子

ほんとうのこと知らないですます知恵

                (松江)川津  蛙

木の役もあって劇だと子を諭す  (松江)田中 堂太

親孝行したいときには親はなく  (松江)植田 延裕

モネの絵も修復されて蘇り    (米子)板垣スエ子

水入りの直前放つ内無双     (美郷)吉田 重美

新宿の母に押されて離婚して   (美郷)芦矢 敦子

どっちみち阿呆と言われ踊ってる (益田)可部 章二

この夏は日傘男子と呼んでくれ  (出雲)野村たまえ

一合と決めた心がまたねだる   (安来)根来 正幸

サッと立ち笑顔で譲る高校生   (出雲)野村たまえ

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 文枝さんの落語のマクラに、高齢に及んで盲腸(虫垂炎)を患った男が出てきます。

 「先生、どうですやろ」「切ったほうがええなァ」

「この齢(とし)で?」「切ったほうがええ」「そやけど、いまさら切らんでも、なんとか生活できますやろ」「そら、あんたはできるわいナ」

 ひろこさんの句を見て、思い出しました。

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 で、次の前句は、

  人それぞれの生活がある

 この句に、皆さんそれぞれの名句(五七五)を付けてください。

 (島根大名誉教授)

2019年7月11日 無断転載禁止

こども新聞