プロの目 錦織 準々決勝はフェデラー

錦織圭(左)とロジャー・フェデラー=ウィンブルドン(共同)
サーブの出来が鍵 自分のリズム貫けるか

 錦織圭(日清食品)が2年連続で8強に残った。4試合で失ったのはわずか1セットと体力温存に成功している。待ち受けるのはウィンブルドン選手権で最多8度の優勝を誇るロジャー・フェデラー(スイス)。元プロらはサーブの出来に加え、錦織らしいリズムを貫けるかどうかが初の4強進出へのポイントとみる。

 他のサーフェスに比べてサーバーが有利な芝で、重要なのはサーブの出来だ。

 今大会の錦織は1~3回戦、第1サーブの確率がいずれも70%以上と好調だった。男子国別対抗戦デビス杯元監督の神和住純氏はワイド、ボディー、センターと各コースへの配球の良さも挙げ「的を絞らせていない」と評価する。

 元プロの坂本真一氏は「サーブの好調ぶりがプレー全体に良い影響を与えている」と説明。サーブで崩して得意のラリー戦で主導権を握れるため、サーブアンドボレーが効果的に決まっている。

 一方、59%と低調だった4回戦は連続でブレークを許すなどリズムを崩す場面が目立った。神和住氏が「気掛かり」と話したように、準々決勝では修正が必要になる。

 大会前に懸念されたのが体力面だった。神和住氏が「これまでの四大大会では一番の勝ち上がり方だ」と話すように、全豪、全仏とも長時間の試合が続き、消耗したまま準々決勝を戦った点を考えると、ほぼ万全の状態でフェデラーに挑めるのは大きい。

 フェデラーも今大会は1セットしか失っていないが、坂本氏は8強に残ったノバク・ジョコビッチ(セルビア)、ラファエル・ナダル(スペイン)を加えた「ビッグ3」の中では、錦織が勝つチャンスが最も大きいのはフェデラーだとみる。

 昨年11月の日東電工ATPファイナルでは錦織がストレートで破り、4年8カ月ぶりに勝利。「良いイメージをしやすいのではないか」と推測する。フェデラーは今大会、バックハンドのトップスピン系のショットにミスが多いとも分析。錦織はフェデラーのバック側に集めるのも作戦といえる。

 フリーライターの秋山英宏氏は「やりたい戦術を自分のリズムでしてほしい」と注文する。ビッグ3に対して意識過剰にならず、ラリーのスピードを自分からつくればペースをつかめると強調する。

2019年7月10日 無断転載禁止