「離」が大事

 月2回担当するこのコラム。ネタが浮かばず前日徹夜し、これと思って書き始めても行き詰まることがよくある。そんな時には横山光輝さんの漫画「三国志」に登場する武将・姜維(きょうい)の「『離』が大事」という言葉を思い出す▼行き詰まったら、こだわりを捨て、別の方法を考えるべきだという意味。実際、筆が進まなくなったネタを惜しまず捨て、頭を白紙にすると、別のネタが浮かぶもので、何度も救われた▼大学時代、設定したテーマにとらわれ過ぎ、卒業論文が書けなかった。結局、卒論発表会を無断欠席。大学を中退して以前誘われた自衛隊に入ろうと思っていたところ、指導教官に叱られ、リポート提出で卒業させてもらった。恋愛もしかり。当時、見込みのない片思いをなかなか諦められず不毛な青春を送った。好いてくれる女子がいたことも気付かなかった▼NHKスペシャル「人体 神秘の巨大ネットワーク」によると、意外なことに脳は何も考えていない時の方が大量のエネルギーを使う。物事がひらめくのはそんな時。無意識のうちに脳内に散らばる情報をつなぎ合わせて新しい発想を生み出しているとみられ、ボーッとすることがひらめくために重要だという▼行き詰まった時こそ落ち着くと、視野が広がるということだろう。ファミリーレストランでチョコレートパフェを食べながらコラムを書き上げた。脳の潜在力に感謝する。(志)

2019年7月10日 無断転載禁止