オオサンショウウオふ化率向上へ 緑色LED照明新設 邑南・ハンザケ自然館

緑色の発光ダイオード照明(左上)を設置した水槽を確かめる伊東明洋学芸員
 国の特別天然記念物・オオサンショウウオの人工繁殖に、自然光と外気温の影響を受けない完全屋内水槽で国内で初めて成功した瑞穂ハンザケ自然館(邑南町上亀谷)が、ふ化率向上を目指し、新たな取り組みを始めた。太陽光を忠実に再現し自然の川の環境に近づけるため、緑色の発光ダイオード(LED)照明を新設した。秋の出産期の成果に期待を寄せる。

 同館は、2017年からLED照明を使った完全屋内の人工繁殖に挑戦。時間帯によって光を調節することで太陽光や月光を再現し、環境づくりを進めてきた。18年に初めて人工繁殖に成功した。

 同館が次の目標に掲げたのはふ化率向上。自然光や外気温の影響を受ける半屋内水槽では、13年に500個産卵し、ふ化したのは176匹で35%だったのに対し、18年の完全屋内水槽では、200個のうち、ふ化したのは15匹で7%。出産したのは同じ個体で、年によって体調の変化はあるものの、ふ化率が低かった。

 同館の伊東明洋学芸員(54)は、ふ化率を上げるためには、より太陽光を忠実に再現する必要があると推測。18年に青色と赤色の波長を強くしたのに加え、今回、足りないとみた緑色の波長を補強した。

 太陽光に近づけば、水槽内の石にコケが増え、オオサンショウウオの餌となる魚の栄養価が高くなると考えた。水温は18年と同じ条件に設定し、今シーズンの人工繁殖に挑む。

 伊東学芸員は「結果は予測できない。秋の出産が楽しみ」と話した。

2019年6月13日 無断転載禁止

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