松江堀川の自然環境は

 出勤途中、松江市の四十間堀川で、肩まで水に漬かり何かを傍らの船に投げ入れている人がいた。よく見ると人力での藻刈り作業だった。今年は例年より繁茂が早い。堀川遊覧船のスクリューに巻き付く、腐って悪臭を放つ…。小魚の隠れ場にもなる藻や水草だが、すっかり悪者扱いだ▼繁茂する藻、水草の帯の上で亀が甲羅干しをする姿も。緊急対策外来種のミシシッピアカミミガメだ。ミドリガメの名前で売られ、「かわいい」と飼育したのはいいが大きくなって持て余し、川や池に逃がした結果、繁殖してしまった▼松江堀川水系で捕獲調査をしているホシザキグリーン財団によると、2018年は600個体以上を捕獲。全体の45%以上を占めるものの、前年に比較して背甲長10センチ以下の小型個体が増え、駆除の効果が出ているようだ▼捕獲した亀のうちアカミミの割合が高かったのは城山内堀川南部、田町川、比津川で、コンクリート擁壁などが多い地域だ。同財団の山口勝秀さん(49)は「人工的環境が多いと、遊泳力が高く人工堰(せき)にも上がれるアカミミの割合が増える。駆除しても効果が出にくい」と話す▼アカミミに限らず、外来種問題のほとんどは人間の身勝手な行為の結果だ。山口さんは「何より住民が自然に目を向けることが大切」と強調する。最良な地域の自然環境はどうなのか。自然に親しむことから始め、学んでいきたい。(富)

2019年6月13日 無断転載禁止