夏告げる「凉殿祭」 出雲大社で古式ゆかしく

参道に敷かれたマコモを踏みしめながら出雲大社境内に向かう千家尊祐宮司(中央)
 出雲地方に夏の訪れを告げる出雲大社(出雲市大社町杵築東)の「凉殿祭(すずみどののまつり)」が1日、古式ゆかしく営まれた。大御弊を手にした千家尊祐宮司が踏みしめたマコモを、無病息災などを願う県内外の参拝者が持ち帰った。

 約500人の参拝者が集まる中、白い斎服姿の神職たちが境内の東約100メートルにあるムクの大木をまつる「出雲の森」に設けられた斎場まで進み、祈願。その後、斎場から境内の御手洗井(みたらしのい)までの参道に盛られた砂の上に、邪気を払うとされる青々としたマコモ計約3千本が次々と敷かれ、千家宮司がその上をゆっくりと歩んだ。祭りを見守った奈良県桜井市の山本恵美さん(32)は「マコモは神聖で特別な植物ということをあらためて感じた」と話した。

 神事で用いたマコモは風呂に入れると無病息災、田畑に埋めると五穀豊穣をもたらすとされ、神職の列が通り過ぎると、参道で待ち構えていた参拝者が素早く拾い上げた。

 祭りは「真菰(まこも)の神事」とも呼ばれ、祭神の大国主命が衣替えをして夏を過ごしたという故事にちなみ、毎年この日に行われている。

2019年6月2日 無断転載禁止

    • マイベストプロ
    • マイベストプロ島根 マイベストプロ鳥取マイベストプロ