画業の足跡 古里に飾る 江津・和木コミセンに寄贈

故・佐々木信平氏の作品を寄贈し、画業について説明する篤郎さん(左から3人目)
 島根県江津市出身の洋画家、故・佐々木信平氏の親族が、油絵の100号の大作2点を同市和木町の和木地域コミュニティ交流センターに寄贈した。美術団体の二紀会常務理事や常葉大(静岡市)の造形学部教授を務めた画壇の重鎮の故郷で、貴重な作品が足跡を伝える。

 7人兄弟だった信平氏の末弟の篤郎さん(74)=同市和木町=が「作品を理解してくれる古里の人に見てもらいたい」との兄の遺言を実現するため、「風船」(1971年作)と「何処(どこ)へ」(2005年作)の2点を贈った。

 信平氏は1936年に満州に生まれ、戦後は父親の故郷の和木町で暮らした。浜田高校を経て武蔵野美術大で油彩画を学び、61年に二紀展で初入選。ルーマニアなど東欧に度々出掛け、広大な大地やその地に生きる人々の姿を長年にわたって描き、2001年に同展で内閣総理大臣賞を受賞した。常葉大で後進の育成にも尽力し、17年5月に82歳で亡くなった。

 篤郎さんは信平氏と10歳近く離れ、幼い頃からじっくりと話をする機会は少なかったものの、画壇で活躍する兄の姿を尊敬のまなざしで見ていたという。地方出身で、中央で頭角を現した兄について「負けず嫌いで、努力家だったと思う」と回想。画業の一端を伝えようと、譲り受けた作品10点のうち、最も好きだった2点を選んで贈った。

 和木地域コミュニティ交流センターの野田久雄センター長は「館内に設置し、地元の大先輩の作品を多くの人に見てもらいたい」と感謝した。

2019年6月1日 無断転載禁止

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