女子ログ K君へ

 私の人生に多大な影響を与えた人物のうちの1人を挙げるなら、中学校の時に付き合っていたK君かもしれない。部活終わり、学校から私の自宅まで20分くらいの道を一緒に歩いた。彼の家は全く逆方向にあるのに送ってくれたのだ。背が高くて、野球部なのに色が白く、勇気を出して顔をのぞき込むとぱっちりとした目を太くて長い睫(まつげ)が覆っていた。

 一方私は剣道の部活を終えたところで、手はせっけんで洗っても小手(こて)臭いし、髪もベタベタ。夕日に照らされる彼の隣で、自分が小さくて汚い存在に見えて恥ずかしかった。野球の試合のお守りに、と手作りしたフェルト製のK君人形の糸が絡まり再起不能となったところで、何だか全てに耐えられなくなって別れた。

 ある時、K君はどうして私の事が好きだったのか、友だち伝いに聞いたら意外な答えが返ってきた。「先生に対して怒っている姿がかわいかったから」。その言葉がずっと心に残っているのか、私は今でも上司や同僚に対して怒る事をいとわない。アラフォーになった私はすっかり切れキャラのおばさんだが、それでもいいやと思っている。だってそんな姿を「かわいい」と思ってくれる人がいるかもしれないから…。

 K君、あの時は唐突に別れを告げてごめんなさい。そして、私の事を好きになってくれてありがとう。

 (雲南市出身、香川県直島町在住・ゆかりんご)

2019年5月12日 無断転載禁止