ペンと乳(38) 言葉の始まり

連想して理解する面白さ

 言葉の変遷が面白い。最初に言えるようになったのは「ばぁばぁ」(バイバイ)。手を振るしぐさとセットだ。「まんま」も上手。ご飯という意味もあるが、わが子は当初おっぱいやお茶、絵本までも「まんま」とひとくくりに表現した。分類パターンは定かではないが、想像するに、英語で言う「want(ウォント)」(ほしい、~してほしい)の時に言うのではないか。食べたい、飲みたい時、絵本を読んでほしい時が「まんま!」だった。

 「わぅわぅ」(ワンワン)は犬だけでなく、ネコやウサギ、リスなど動物全般。せっけん箱に描かれた乳牛のイラストも「わぅわぅ」だ。でも、鳥だけは「ぱっぽォ」(ポッポ)と、区別しているようだ。

 夫と私のことは「ちゃ~ちゃ」。父ちゃん、母ちゃんとそれぞれ言っているのが、雰囲気で何となく分かった。日がたつにつれ、「父ちゃん」は「とぅーたん」、「母ちゃん」は「たぁーたん」と、だんだん正しい発音に近づいてきた。

 「まんま!」と「わんわん!」は言いやすいからかお得意のようで、かなりはっきり発音する。以前「まんま」と呼んでいたおっぱいは、いつの間にか「パイパイ」に変わっていた。テレビの相撲中継に出てくる力士を見ても「パイパイ」と言うから面白い。そこに目が行くのね…。

 さらに「だーだぁー」と言ってオモチャを手渡してくる。おそらくこれは「どうぞ」の意。「ありがと~」と受け取ると、うれしそうに別のオモチャを持ってきて「だーだぁー」。おむつのパッケージにでかでかとデザインされたアンパンマンには「ぱんぱぁん!」とにっこり。

 相手の発する言葉を、聞いたことがある単語を連想しながら頭の中でつなげていき、「こう言ってるのか!」と分かった時の喜びは、ちょっとだけ外国人とコミュニケーションを取る時に似ている。

2019年4月13日 無断転載禁止