70歳超えピアノ全国で上位入賞 介護でブランク 江津の山藤さん

「ピアノの生音を地域住民に届けたい」と、練習に余念がない山藤法子さん
 江津市波子町の会社役員、山藤法子さん(72)が70歳を超えてなお、ピアノ演奏に打ち込んでいる。親の介護や仕事でピアノから離れた時期があったが、数年前から再び鍵盤を鳴らし、全国規模のコンクールで上位入賞を果たした。お年寄りたちを招いたコンサートも開き、地域に音楽の魅力を届ける山藤さんは、「多くの人が元気になるような演奏をしたい」と練習に励んでいる。

 江津市生まれの山藤さんは5歳でピアノを始め、小中高校で腕を磨いた。音楽大学への進学を考えたものの、家族の希望もあって薬剤師になる道を選んだ。

 ただ、社会人となってからも音楽を諦めきれず、38歳で一念発起して大阪音楽大短期大学部に入学。卒業後は江津市に帰り、薬局を営みながら15年ほど音楽教室を主宰し、子どもから大人まで大勢の生徒を指導した。その後、仕事や両親の介護のため、10年余りピアノから遠ざかったという。

 2012年に母親、13年には父親が相次ぎ他界。心の中にぽっかりと開いた空洞を埋めてくれたのがピアノだった。鍵盤に向かうと寂しさが少し薄れ、心が落ち着いた。

 再開した練習の成果を試そうと、17年に出場した「エリーゼ音楽祭おとなのためのピアノコンクール」の65歳以上の部門で最優秀の金賞、18年も銀賞に輝いた。今年3月には江津市内のホールで受賞記念の演奏会を開き、住民約300人にピアノ演奏の魅力を伝えた。

 山藤さんは「地域のお年寄りたちが『演奏会を楽しみにしている』と言ってくれるのが何よりうれしい。これからもピアノを弾き続けたい」とほほ笑んだ。

2019年4月11日 無断転載禁止

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