レッツ連歌(下房桃菴)・3月14日付

(挿絵・Azu)
 徹夜する覚悟を決めてコーヒー入れ

机の上をまず整理する      (出雲)岩本ひろこ

町でうわさの店長となる     (浜田)山崎 重子

同期にゃ勝ちたいプレゼンは明日 (益田)可部 章二

明日に迫った投句締め切り    (松江)石塚 修三

スーパームーンにカメラ構える  (美郷)芦矢 敦子

それで起きてたことあったっけ  (松江)田部 和美

効くと思えば効いてくるのよ   (浜田)滝本 洋子

添削してでも入選させたい    (雲南)安部 小春

卒業式の答辞任され       (松江)森廣 典子

海の向こうのテニス応援  (埼玉・所沢)栗田  枝

やっと生まれた初孫の声  (熊本・天草)龍石美和子

上級編に挑むナンプレ      (松江)田中 堂太

大忙しのサンタクロース     (美郷)尾原 典子

たらふく食った夕飯がアダ    (江津)岡本美津子

ホワイトデー用カカオ砕いて   (出雲)放ヒサユキ

ノーベル賞にゃ道は遠いが    (出雲)釜田 悦子

着てはもらえぬセーターを編む  (米子)板垣スエ子

あした着ていくセーターがない  (出雲)川上 梨花

元号またぎ囲む雀卓       (益田)石川アキオ

実力ですと欠伸(あくび)こらえる(松江)須山 吉雄

浮気のシッポきっと見つける   (雲南)渡部 静子

この結末を早く知りたい     (美郷)源  瞳子

シビンも置いて用意万端     (出雲)行長 好友

隣の家の灯り気になり   (沖縄・石垣)多胡 克己

山ほどもらった質問通告     (松江)岩田 正之

木刀腰に畑の見回り       (江津)花田 美昭

やったァ~できたと寝言いってる

            (滋賀・東近江)小嶋 慶子

大旦さんの語る浄瑠璃      (松江)高木 酔子

故郷めざしてマイカー発進    (出雲)三島 真子

今夜はどこへヨバイに行こうか  (松江)加藤 一治

夫婦喧嘩の第二ラウンド     (益田)黒田ひかり

張り込む前にホシが捕まる    (松江)澄川 克治

一つ残らず見る流れ星      (益田)吉川 洋子

神楽の里は大蛇(おろち)でお開き(浜田)勇 之 祐

占い信じてカレを待ってる    (松江)花井 寛子

平成最後をしかと見送る     (松江)持田 高行

採点するほうだって大変     (松江)山崎まるむ

無事終えました確定申告     (米子)島田真理子

           ◇

 徹夜してまで、なにをするのか―。

 チョコを作る、セーターを編む。ミステリーに挑む、ナンプレを解く。ホシの張り込み、畑の見回り。答辞の準備、答弁の用意…。ヨバイまで出てくるとは思わなかったけれど、人それぞれに、いろいろあるもの。

 ところが、なにをするのか、その「なに」には、まったく触れない付けかたもあります。

 和美さんや洋子さんの作品は、コーヒーの効果のありなしに焦点を絞った句。

 慶子さんの「やったァ~できた」は効果のなかったほうですが、「なに」ができたのかは、これもぜんぜん分かりません。分からなくってよいのです。

 一方、好友さんの「シビン」は、そこまでして「なに」をするのか、とても気になります。長距離運転でしょうか。夜神楽見物でしょうか。テニスの応援でもなさそうだし、流れ星の観察なら、その辺で用を足せば済む…。

 こういったテは、一度はマネてみる価値があります。それで、もっときれいな句ができれば、なおよいのですが…。

           ◇

 次の前句は、

  原稿用紙て知っていますか

 知らない、という若い世代が増えているそうです。知ってはいても使いかたが分からないとか…。

 楽しい長句(五七五)を、いっぱいお寄せいただけそうな予感がしております。

               (島根大名誉教授)

2019年3月14日 無断転載禁止

こども新聞