きらめく星 うさぎ座

うさぎ座周辺=1月9日、出雲市知井宮町で撮影
オリオン座の下 かわいく

 砂時計のような形のオリオン座(ざ)は、冬の代表的な星(せい)座(ざ)です。よく目立ち、今なら南の空にすぐ見つかります。オリオン座を見たら、その近くのかわいらしい星座も探(さが)してみましょう。その星座とは、うさぎ座です。

 オリオン座のすぐ下で、しかもシリウスというとびきり明るい星のとなりですから、位置はたいへん分かりやすくなっています。あとは写真を手がかりに、耳を立てたウサギの姿(すがた)をたどってみてください。

 オリオンは狩(かり)人(うど)で、シリウスがあるおおいぬ座はオリオンの猟犬(りょうけん)とされており、うさぎ座はオリオンが追っている獲(え)物(もの)だとよくいわれます。しかし、古代のギリシャ人は「オリオンほどの偉(い)大(だい)な狩人が、猟犬まで使って小さなウサギなど狙(ねら)うはずがない」と考え、次のような話を伝えました。

 ギリシャのレロス島に、あるときなぜかウサギが持ち込(こ)まれました。そのウサギは子を産み、その子が育ってまた子を産み、ウサギはどんどん増(ふ)え続けました。やがてウサギの大(たい)群(ぐん)は作物を荒(あ)らすだけでなく、人まで襲(おそ)うようになったらしく、島民は滅(ほろ)んでしまいそうになります。

 そこで今度は島に犬を連れてくることで、どうにかウサギを駆(く)除(じょ)することができたのですが、人々はウサギの恐(おそ)ろしさを忘(わす)れないようにするため、ウサギを星座にしたということです。

 よく考えれば、ウサギが悪いわけではなく、もともといなかった場所に突(とつ)然(ぜん)持ち込んだことが問題だったのです。これは2千年以上前の話で本当にあったかどうかはわかりませんが、外からやって来た生き物がその地(ち)域(いき)の環境(かんきょう)を壊(こわ)してしまうことは、現代(げんだい)でも深刻(しんこく)な問題になっています。まるで古代の人たちが、今の私たちに警告(けいこく)しているようです。うさぎ座を見たときは、そんなことも思い出してください。

◆島根県立三瓶(さんべ)自然館サヒメル天文事業室長・竹内幹蔵(みきまさ)

2019年2月6日 無断転載禁止

こども新聞