改元巡る意外な理由

 重要事項を決定するポイントは、意外なところにあるのかもしれない。先日、東京で衛藤晟一首相補佐官の講演を聴き、そんな思いを抱いた▼テーマは改元問題。5月1日の新天皇即位に伴う改元で新しい元号がいつ公表されるかは、国民にとって大きな関心事だった。官邸と自民党保守派の調整が難航した中、安倍晋三首相の側近として国政の重要課題を担当する衛藤氏は「改元日の2~3週間前に(公表)できるとの議論もあった」と振り返る▼それが4月1日に前倒しされたのは、議論の最終段階で、米マイクロソフトの「ウィンドウズ」のプログラムが4月10日に更新日を迎えるという話が入り、それに間に合わせるためだったという。「なぜ米企業のために」と首をかしげたが、日本企業の決算作業が混乱しかねないと知り、納得した▼「平成」を決める際は「修文(しゅうぶん)」「正化(せいか)」を含む3案について有識者会議の意見を求め、閣議決定した。元号をアルファベットの頭文字を使って表す際、修文と正化では「昭和」の「S」と重なり、不都合が起きてしまうとの考えも働いたとされる▼4月1日に公表される新元号も、有識者会議に3案が示される見通しだ。ただ「一つでも漏れたらボツになって次の案に代わるだろう」と衛藤氏。仮にスクープしても誤報になるだけにマスコミ人としては苦々しいが、明るい未来を感じさせる2文字になればいい。(健)

2019年2月6日 無断転載禁止