世事抄録 「賞味期限」を考える

 正月も3日を過ぎれば冷蔵庫の整理が始まり、賞味期限切れ食品が捨てられてゆく。賞味期限は可食期限ではないので、まだ十分に食べられる。しかし期限を過ぎると店頭からも家庭からも姿を消す。これでは賞味期限というより破棄年月日である。こうして捨てられる食品は年間何億食分にもなると聞く。何とももったいないことである。最初から捨てられる日が決まっている食品が哀れでさえある。

 私は以前から、必然的に可食期限化するこの賞味期限には疑問を持っている。どうして製造年月日にしないのか。その上で、いつ食べるか、いつまでに食べるかは、消費者の経験と知識に任せればよいのである。特にチーズ・ハムのような加工食品や缶詰などは、新しいうちとか、味がなじんでからとかいろいろな食べ方があり、製造日の方がよほど合理的で、もったいない廃棄も相当減ると思われる。いっぺんに全部というわけにはゆくまいが、行政には部分的にでも前向きに考えていただきたい。

 わが家では、少し値段の張る期限切れの食品は、捨てる前に「食べてみます~?」と私に回って来る。私は特に抵抗感もなく、カミさんの倹約志向に応えている。数時間後「大丈夫でした~?」のお問い合わせ。これには少々抵抗を感じるが、そこはぐっと抑えて、「大丈夫。うまかった」で収めている。

(松江市・幸兵衛)

2019年1月31日 無断転載禁止