世事抄録 憲法論議と東大闘争

 大層なお題だが、正月の酒席でした息子との話だ。新年から憲法改正か否かもないと憲法の位置づけを議論した。

 憲法は、国民全員を「幸せ」にする国のあるべき姿を明文化したものであり、国造りの理念である。当然、現実乖離(かいり)や矛盾はある。その理念を実現するために法律や政策があり、新たに制定されると。疑問を呈しつつも私に花を持たせた息子は、テレビを見ながら問うた。60年代の学生運動はどうしてバリケード封鎖し、暴力で抵抗したの。何がしたかったの。画面には東大安田講堂攻防戦が映っていた。九条や表現の自由の絡みで問うたのだろう。

 戦争をしたから平和を求めた。その平和とは何だったの。かつて高校生の私の問いに父は言った。「本だけではなく自分の体で知ることだ」。私は息子に答えた。「現象だけで語るな。なぜ、そうするのかの背景や本質を調べることだ」。良いか悪いかの判断はその後のことだと。先人は後人の視野を広げようとする。

 昨年一年いろいろな方と憲法改正について議論した。今年もするだろう。改正も反対も、最後はその人の責任であり、価値観だ。だが議論は重要で、受け売りでなく自分の足で調べることが大切だ。1月18日、安田講堂攻防戦からくしくも50年。ベトナム反戦と連携した学生運動であった。憲法論議は世界動向とこれからの世代のことも含め議論すべきだ。

 (埼玉県在住、島根県奥出雲町出身・鬼灯)

2019年1月24日 無断転載禁止