アキのKEIルポ 練習時から高い集中力

 パブロ・カレノブスタが錦織と対戦するのは初めてのことだった。27歳、最高位は10位。これだけのキャリアを持つ選手と錦織が初対戦というのは珍しいが、それは彼がこの数年でいかに急成長したかを示してもいる。

 錦織との対戦は初だが、練習はよくする仲。今大会の会場でもボールを打ち合った。錦織との練習で彼が学んだのは、「練習にも、試合と同様の集中力と気持ちの激しさで取り組んでいる」ということだという。

 それら錦織との練習で学んだことを、彼はコート上で発揮した。2セットを先行した後に追いつかれ、追い抜かれても再び抜き返した。しかし勝利まで2ポイントに迫った時、一つの不運なラインコールを機に、彼は心を乱す。ラケットバッグを投げてコートを去った彼は、会見で自分の行為を深くわびた。

 カレノブスタが主審に激しく抗議をする間、敗戦まで2ポイントに追い込まれた錦織は、集中力を切らさなかった。「あの中断は自分に影響を及ぼした」と試合後に錦織は言う。だが彼は、試合時間が5時間に及んだことにも気づかぬほどにゲームに入り込んでいた。カレノブスタに感銘を与えた、練習時からの集中力―。その成果を示しての勝利だった。

(フリーライター・内田暁)

2019年1月23日 無断転載禁止