迫力満点 新作「風の宮」 益田・種神楽保存会 熱演に盛んな拍手

「風の宮」を披露する種神楽保存会のメンバー
 益田市東部の種地区を拠点に活動する種神楽保存会(伏谷秋義代表)が3日、同市下種町の種地区振興センターで、新作神楽「風の宮」を初披露した。昨年から取り組んだ演目で、観客約120人が、希少な演目を楽しんだ。

 風の宮は、風の神である級長津彦命(しながつひこのみこと)が、異国から兵船を率いて日本に来襲した悪鬼を迎え撃ち、降参した敵の大将を許さず退治する筋立て。主要演目をまとめた六調子台本に登場するが、現在も保持する社中は少ない。

 20年ほど前からモンゴル史を研究する県立大総合政策学部(浜田市野原町)の井上治教授(55)が壱岐対馬や萩、島根県西部などで元軍の足跡を調査する過程で、蒙古襲来を神話と結びつけている風の宮を知った。地域に残る貴重な文化遺産として広めようと昨年6月、同保存会顧問の広中豊さん(76)に相談。保存会が八調子の5人舞に仕上げた。

 保存会主催の恒例イベント「新春神楽鑑賞会」で初披露。悪役3人は船のかいを手に登場し、海を渡ってきた状況を演出した。立ち合いの場面では、敵の大将が許しを請うも受け入れられず「かくなる上は是非もなし」と切りかかり、熱演に盛んな拍手が送られた。

 井上教授は「モンゴルに攻められたことを伝統演劇として残しているのはポーランドと日本だけで、貴重な文化資産だ。ただ、継承となると社中はもとより観客がいなければ難しく、皆さんで守っていただければうれしい」と話した。

2019年1月6日 無断転載禁止

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