情報科学高校(安来) 新しい世界「冒険」と「挑戦」

生徒の指導を受けながらスクラッチを使ったゲームを体験する子どもたち(昨年資料)
 島根県立情報科学高校(安来市能義町)は、12月1、2の両日、「第3回情報ITフェア」を開催する。普段の学習を生かし、生徒が先生役を務めることによって、知識・技術・自主性をより高めるとともに、地域の方々や子どもたちとのコミュニケーションの場にもなり、地域に必要とされるIT技術の拠点であることをアピールすることを目的としている。

 今回のテーマは「冒険」。第1回、第2回にはなかったコンテンツを取り入れ、お客さまはもちろん、生徒たちも見たことのない新しい世界を冒険する、またとない機会になるよう、本番に向け生徒全員が準備を頑張っている。

 そこで、本ページでは「情報ITフェア」の概要を中心に、情報科学高校の各種取り組み、研究なども併せて紹介する。(成相 さら)


 12月1日、2日「情報ITフェア」


ドローンを使ったゲームを楽しむ子どもたち(昨年資料)
 学習の成果 地域に披露

 「情報ITフェア」で開設される各講座には難易度が設定されており、自分の年齢にあった講座を体験できるが、今年の目玉は何といってもVR(バーチャル リアリティー)体験だ。生徒がプロデュースするもののほか、OCA大阪デザイン&IT専門学校の有名なVRのe-sports体験や、株式会社トルクスのVRどじょうすくいなど、山陰地方ではなかなか体験できないものも集めている。

 2年2組教室の「プログラミングでドローンを飛ばそう」では、メディアでも最近よく取り上げられているドローン操作が体験できる。ドローンでビービー弾を運び、かごの中に入れて得点を競う。この機会にドローンを操縦してみてはどうだろうか。

生徒からパソコン操作を学ぶ来場者(昨年資料)
 一方、2年3組教室の「ロボットレース」は、タブレットでロボットを操作し、障害物を避けながらゴールまでボールを運ぶゲームで、毎年長蛇の列ができる大人気コーナーだ。今年はステージでのイベントも計画されている。

 体育館では、やましたまほ&山陰効果団地のデジタルアート教室、村田製作所のムラタセイサク君ショーなどのほか、物販コーナーには普段なかなか手に入らない商品が数多くそろっている。昨年、大分県立情報科学高校と姉妹校締結したため、大分県の商品も仕入れている。

 体育館の外の飲食テナントは、出店数も昨年度より増え、島根和牛トルネードステーキやチキンケバブなど、温かくておいしい料理のテナントが立ち並ぶ。最近話題のインスタ映えも狙えるのではないだろうか。

VR体験を楽しむ子ども(昨年資料)
 入場時に配られるパンフレットには「情報科学からの挑戦状」が記載されており、その挑戦状に載っている謎を解くことで景品をもらうことができる。謎は特定の講座を受講することで解けるので、この機会にぜひ多くの講座を受講してみてはどうだろうか。

 「情報ITフェア」の運営を行う起業家班では、開催に当たって、これまでさまざまなイベントに参加し、「情報ITフェア」をより良く運営できるよう知見を蓄えてきた。実行委員長の渡部航弥さん(情報システム科3年)は「フェアを通して学校、そして自分自身も挑戦して大きな変化を起こしたい」と意気込んでいる。(矢田  和)


イベントタイムテーブル

【12月1日(土)】
・石見神楽       10:30~11:30
・地域研究班発表    11:40~12:00
・やましたまほ&山陰効果団地のデジタルアート教室
            12:30~13:30
・石見神楽       13:30~14:30

【12月2日(日)】
・ムラタセイサク君   11:00~11:30
・地域研究班発表    11:30~12:00
・レゴロボット     12:00~12:15
・ムラタセイサク君   13:00~13:30
・地域研究班発表    14:00~14:30


フードコート

・やきそば(安来市包括連携協議会)
・ラーメン(つり吉)
・チキンケバブ(COCOKARA)
・広瀬ボール(祖田風月堂)
・野城爺婆掘起隊(大国坊焼き)
・キリン工房(出雲ねぎ焼き)
・岡本旅館(大山おこわなど)
・フードシャトル(トルネードステーキなど)
・PTA(豚汁、おにぎり)


ブース・講座

・島根大学
 アーバンデータチャレンジ

・出雲コアカレッジ
 AIロボットのソウタ君とおしゃべり

・電子工作
 ペットボトルライトを作ろう

・とっとり自然環境館
 発電したエネルギーで走るトーマスに乗車できます

・e-sports体験
 プロゲーマー体験をしてみよう

・VR体験3種類
 参加の2団体と本校マルチメディア科による体験

・クリスマスカード・年賀状作成、塗り絵講座
 作って持って帰ろう

・Rubyプログラミング
 松江市在住のまつもとゆきひろさんが開発したプログラム言語のRubyを体験

・スクラッチ
 簡単なプログラミングを体験

※本校の生徒がプロデュースする14の体験講座と参加団体による16の講座の合わせて30種類もの体験をご用意


学科紹介

 マルチメディア科
 全国の公立高校で唯一の学科です。コンピューターによるデザインや画像・動画・音声の加工編集、VRなどの最新の映像加工に関する知識技術を習得します。また、プレゼンテーションやコミュニケーションに関する能力を身に付け、将来、ポスターなどのデザインやWebページ作成など、マルチメディア分野において活躍できる人材の育成を目指しています。

 情報処理科
 簿記会計と情報処理をバランス良く学習します。将来的に会計のスペシャリストや経営者を目指す場合、どちらかの知識だけでなく、融合させて活用できる人材であることが求められます。今の時代、会計処理は手書きではなく、コンピューターに入力して処理することが多く、知識を持った人間が迅速に入力、処理できることが求められるからです。

 情報システム科
 Rubyを使ったプログラミングやシステム設計を中心に学習するほか、レゴロボットやドローンなどのロボット制御を通じてIoTについて理解を深め、ネットワークやサーバ、クラウドを活用した新たな価値やサービスを創造する力を身に付けます。将来は情報技術を活用して地域や企業の課題解決に貢献できる人材を育成しています。


課題研究紹介

 ▽地域研究班
 地域活性化のために安来市の魅力について研究しています。主にふるさと納税、足立美術館、ドジョウ、安来節について調査・研究・実践を行っています。安来市役所と協力した取り組みや、若い世代や外国人の方でも楽しめるPR方法などを研究・計画しています。学校での学びを生かし、地域貢献をしていきたいです。

 ▽3Dデザイン班
 3D(立体)デザインについて学んでいます。1学期には、フォトショップやイラストレーターなどの編集ソフトを使って、自分たちでデザインしたポスターを制作し、全商検定に応募しました。今後は3Dの作品を専用のソフトを使って作成していくので、とても楽しみにしています。

 ▽ITシステム研究班
 ICT(情報通信技術)やIoT(モノのインターネット)について学習と研究をしています。1学期はセンサーなどを使った自動運転技術について学習し、小・中学生を対象にパソコン教室を実施しました。2学期は学生生活の中で紙が多く消費されているので、パソコンやタブレットでペーパーレス化を実現するために研究しています。

 ▽起業家班
 「情報ITフェア」の企画・運営を中心となって行う班です。フェアに向けて毎日壁にぶつかっては考え、みんなで乗り越えています。起業家班の活動は冒険です。正解、不正解ではなく、何をしたいのか、何を実現することが変化につながるのかを生徒主体で考え、動きだせることが一番の魅力です。起業家班の活動では新しい自分に出合い、活動の幅を広げることができます。私たちの冒険は続きます。

 ▽経営企画班
 平日パソコン講座、休日パソコン講座、地域活性化、NIEの四つのグループがあります。一般の方や小中高生を対象にしたパソコン教室やイベントの企画・運営、2018笑店街フェス、新聞作成などを中心に活動しています。今後も学校がより魅力的な場所となり、楽しいパソコン教室やイベントを通した地域貢献ができるよう、みんなで協力して頑張ります。

 ▽高度資格取得班
 全国商業高等学校協会(全商)主催検定の1級や、ITパスポート・基本情報など、取得が難しい資格を取るために、自分たちで勉強の計画を立てて取り組んでいます。それによって、自立性や主体性が身に付いていきます。分からないところは先生に聞いたり、友達と切磋琢磨(せっさたくま)したり、課題に向けて取り組んでいます。


足立美術館職員から話を聞く地域研究班の生徒たち
地域研究班

 外国人観光客のため 外国語表記充実を

  足立美術館周辺調査で判明

 地域研究班は、地元・安来の特色や課題を見つけるため、安来について日々調査をしている。

 その調査の一つに足立美術館の企画がある。同美術館は、米国の日本庭園専門誌で15年連続庭園日本一に選ばれるという大きな魅力もあり、年間約65万人の観光客が訪れる、安来が誇る観光地となっている。

 そんな足立美術館は実際安来にどのような影響を与えているのか調べるため、アンケート調査などを行ってきた。

 その中で、外国人観光客のための外国語表記の充実が必要だ、ということが判明した。実際に、安来の地についても外国語表記が少なくて困っている外国人観光客は多い。そのことから地域研究班では現在、安来駅や道の駅を中心に外国語表記を増やしていこうと、計画を進めている。

 外国語表記が今より増えれば、外国人観光客も気持ち良くスムーズに観光ができるほか、安来や島根県内への観光客も増え、地域がにぎわうことだろう。この活動をぜひ成功させたい。(佐藤 瑠南)


編集後記

 私たち課題研究班NIEグループは、毎年この「青春はつらつ新聞」の製作を中心に学習してきました。昨年度はNIE班として約10人のメンバーでしたが、今年度からは新しくできた経営企画班の中に入ったNIEグループ4人で活動してきました。

 「青春はつらつ新聞」だけでなく、新しく企画した「朝新聞」を学期に1度製作・発行し、生徒の皆さんに読んでもらうことにしました。新聞を製作することで私たちも新聞を読むようになり、さらに生徒全員に新聞を読む習慣がついてきたので、とても良い学習になりました。

 一方、今回の「情報ITフェア」は、起業家班が新しいアイデアを出すなど、昨年よりも多くの講座やイベントが用意されており、今まで以上に子どもからお年寄りまで楽しめるものとなっています。

 生徒が先生役としてお客さまに教えることで、生徒自身も勉強になり、今後の学習につながります。そして、昨年よりお客さんに喜んで帰ってもらえるようなフェアにしたいと思っています。(成相 さら)

2018年11月22日 無断転載禁止

こども新聞