仕事みてある記 金塊密輸やテロ防止へ 出入国する荷物を検査

税関監視官

 加藤(かとう) 薫樹(しげき)さん

 (境港市昭和町)

入国した外国人旅行者に手荷物の内容を尋ねる神戸税関境税関支署の加藤薫樹監視官。仕事を通して「日本の治安維持に貢献したい」と話す=境港市昭和町
 毎週金曜日の午前9時、境水(さかいすい)道(どう)に面した境港(さかいみなと)市昭和(しょうわ)町の国(こく)際(さい)旅客ターミナルに、韓(かん)国(こく)から旅客フェリーが到(とう)着(ちゃく)。日本に入国した乗客の荷物や所持品を検(けん)査(さ)するのが、財(ざい)務省(むしょう)の神(こう)戸(べ)税(ぜい)関(かん)境税関支(し)署(しょ)(境港市昭和町)の加(か)藤(とう)薫(しげ)樹(き)さん(31)ら監(かん)視(し)官(かん)です。加藤さんは「日本の治(ち)安(あん)維(い)持(じ)と2年後の東京オリンピックに向けたテロ防(ぼう)止(し)に貢(こう)献(けん)したい」と、仕事に取り組んでいます。

 外国の会社や個(こ)人(じん)と物の売り買いをすることを「貿(ぼう)易(えき)」といい、輸入(ゆにゅう)にかかる税(ぜい)金(きん)(関税や消費税など)を徴収(ちょうしゅう)するのが税関。外国と結んだ条約(じょうやく)や日本の法(ほう)律(りつ)で禁(きん)止(し)されるけん銃(じゅう)など銃器や麻(ま)薬(やく)・覚(かく)醒(せい)剤(ざい)をはじめ、絶(ぜつ)滅(めつ)の恐(おそ)れがある野生動植物、象(ぞう)牙(げ)製(せい)品(ひん)や偽(にせ)のブランド品などの密(みつ)輸(ゆ)取り締(し)まりも仕事で、「日本の玄(げん)関(かん)口(ぐち)」となる港や空港で円(えん)滑(かつ)な貿易と公平な課税、安全・安心を確(かく)保(ほ)します。

 境港市は、面積が約30平方キロ。中国地方で最も小さい市ですが、外国航路の船が出入りする商港「境港(さかいこう)」と日本海側有数の漁港「境漁(さかいぎょ)港(こう)」、韓国や香(ホン)港(コン)行き旅客機の定期便が就(しゅう)航(こう)する「米(よな)子(ご)空港」という三つの港があります。

 加藤さんのいる同支署が受け持つ鳥取県全(ぜん)域(いき)と島根県東部では、2017年は輸出額(がく)786億1400万円、輸入額460億9100万円、出入りした貿易船448隻(せき)、飛行機は264機がありました。加藤さんらは、管内の港や空港に出入国する船や飛行機があるたび現場(げんば)へ赴(おもむ)きます。外国人旅行者には英語で持ち込(こ)めない品物リストを示(しめ)しながら滞(たい)在(ざい)目的など尋(たず)ね、荷物を検査。その間、表情(ひょうじょう)や態(たい)度(ど)に不(ふ)審(しん)な点はないか、注意を払(はら)います。最近は特に、増(ふ)える金(きん)塊(かい)の密輸に目を光らせます。

 加藤さんは、国家公(こう)務(む)員(いん)試験の1次試験合(ごう)格(かく)後にあった官庁(かんちょう)訪(ほう)問(もん)で、貿易の第一線に立つ税関の仕事内(ない)容(よう)に興味(きょうみ)を持ち、就職(しゅうしょく)を決めました。監視業務(ぎょうむ)に就(つ)いて5年、境税関支署に赴(ふ)任(にん)して2年目の加藤さんは「税関の仕事は、サポートメンバーとのチームワークが大事。金塊密輸やテロの防止など、時代や情(じょう)勢(せい)によっていろいろな事を気にしながら検査しないといけない、と思いながら仕事しています」と話しました。 

 ★メッセージ

 高校、大学時代は英語を苦(にが)手(て)にしていましたが、勉強は将来(しょうらい)、何の役に立つか分からないので、好(こう)奇(き)心(しん)を持ってやるのがいいです。税関は「日本の水(みず)際(ぎわ)」の最前線で仕事ができ、緊張(きんちょう)感(かん)とやりがいがあります。外国へ行く機会があれば、税関の仕事ぶりを見て、目指してもらえたらいいですね。

2018年10月3日 無断転載禁止

こども新聞